NEW MODELS
ニューモデル
「KTM MEDIA EXPERIENCE 2012」
200 DUKEメディア試乗会レポート
2012年6月21日掲載
今春の東京モーターサイクルショーで注目の日本デビューを果たしたKTM 200 DUKEの日本向け生産・デリバリー開始に合わせ、6月12日に茨城県のトミンモーターランドにて、「KTM 200DUKE」のメディア向け試乗会が開催された。果たしてどんなマシンなのか、先行デビューした125DUKEと比べてどうなのか? 動画とともに解説していこう!
200 DUKEは昨年、先行デビューしている125 DUKEの上位機種で、200ccの排気量を与えられたハイパフォーマンスなライトウェイトスポーツである。車体サイズなどの基本スペックは125 DUKEを踏襲しつつ、エンジンのボアxストロークを125 DUKEの58x47.2mmから72x49mmへ変更。また、吸気径を33mmから38mmに拡大するなど、単なる排気量アップではない最適化チューニングを施している。この結果199.5ccの排気量から26PSを発揮。125DUKEの15PSに比べて実に1.7倍以上のパワーアップを実現する一方で、車重は2㎏増しの126㎏に抑えられたことにより、クラス最強レベルのパワーウエイトレシオを達成している。これを支えるサスペンション、ブレーキなどの足まわりも専用チューニングが施されるなど、KTMらしい妥協のない作り込みがなされている。
これにより、125 DUKEの魅力であった軽快でダイレクトな運動性能はそのままに、より余裕のあるパワーとトルクで胸のすく走りを実現。また、排気量アップにより「軽自動二輪」枠となり法的に高速道路の走行も可能になるため、行動半径が大きく拡大したことも魅力だ。アクセサリー類も豊富に設定。125と共通タイプ以外にも200DUKE用に新アイテムを用意するなど、エキサイティングな走りにとどまらないカスタマイズの世界も楽しめるはずだ。
価格についても、125DUKEから約4万円アップの48万円台と魅力的なプライスタグが付けられている。
■KTM 200 DUKE 価格:48万9000円
200DUKEのデリバリーを機会に、新たに日本国内でPDI(Pre-Delivery Inspection)を実施できる体制になったことも注目される。KTMではこれまで生産国であるインドから、一度オーストリア本社経由で陸揚げされていた流通経路を見直し、日本国内にPDIを実施できる施設と仕組みを構築した。これにより、ラインオフ後約7週間かかっていたデリバリータイムを約半減することに成功。オーストリア本社で技術研修を受けた専門スタッフが、日本国内で求められる厳しい品質基準に合致するよう検査を行うなど、早くて安心できるデリバリー体制が整えられている。
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■エンジン
モトクロス用をベースに開発されたエンジンは水冷4ストDOHC4バルブ単気筒199.5ccから26PS/10000rpmを発揮。バランサーや鍛造ピストンを組み込んだハイスペックタイプで、125DUKEとはボア、ストロークとも異なる専用設計である。加速時のパンチ力はまさに段違い! フレームはKTM伝統のトレリス構造を持つ、高強度クロームモリブデン鋼を採用。
■フロント廻り
φ280㎜シングルディスク+BYBRE製ラジアルマウントキャリパーの組み合わせ。BYBREはブレンボとの共同開発ブランドで、扱いやすいリニアなタッチと軽量を生かした十分な制動力を発揮する。
■リア廻り
φ230㎜シングルディスク+BYBRE製キャリパーで、ブレーキは前後とも125と共通。キャストタイプのホイールやF=110/70-17、R150/60-17のタイヤサイズも共通だ。リブをあえて露出させたスイングアームのデザインがお洒落。
■サスペンション
前後サスペンションはKTM伝統のWP製で、200は専用チューンが施される。フロントにはφ43㎜倒立フォークを、リヤにはプリロード調整機構付きのリンクレスタイプのモノショックを装備。豊富なストローク感を生かした、しなやかな乗り味が特徴だ。
■ステップ
アルミ製ステップはホルダーとヒールプレート一体式の本格的なタイプ。剛性感があり、チェンジ操作にも節度があってスポーティな走り向き。デザイン、質感ともにビッグバイク並みのクオリティだ。
■メーター
最新鋭のマルチファンクション・ダッシュボード。スピード、回転計、トリップ、燃料、燃費計算、ギヤポジションなどの情報が集約されている。オレンジのバックライトで昼でも見やすく、質感も上位モデル並み。
■マスク
鋭いエッジと縦目が印象的なマスク、スパルタンなデザインはデュークシリーズに共通するアイデンティティ。
■フューエルタンク
軽量な樹脂製カバーに覆われた燃料タンクの容量は約11L、と排気量からすると十分なレベル。ニーグリップしやすい形状だ。ちなみに燃料供給装置=FIは125と200のボッシュ製に対して、690と990はケイヒン製。
■シート
前後セパレートタイプのスポーツタイプ。リヤシートも座面が広く、堅牢なグラブバーが装備されるなど、本気でタンデムできる仕様だ。シート高は810㎜とこのクラスにしては高めだが、跨るとサスペンションが沈み込むため実際には足着き性は良好。
■ユーティリティ
リヤシート下は車載工具が収まる程度だが、今年から125/200専用のキャリアやリヤボックスなどの実用的でスタイリッシュな純正オプションパーツが用意されるなど、利便性も高められている。
■690 vs 125
デュークシリーズの比較。690(左)と125(右)を比べてみると、意外とサイズが変わらない感じがする。690が排気量からすると非常にコンパクトである一方、125(200も同サイズ)は大人が乗っても十分余裕があるほど大柄なのだ。