取材協力 : KTM
文・写真/ケニー佐川

NEW MODELS

ニューモデル

「KTM 2013フルラインナップ試乗会」

2013年3月22日掲載

KTM2013ストリートモデルのメディア向けフルラインナップ試乗会が袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催された。夏に発売を予定している話題のニューモデル「690DUKE R」をはじめ、最新モデルをイッキ乗りする機会に恵まれた。今回は新世代KTMとして世界的な人気を誇るDUKEシリーズの魅力を再確認すべく、「200DUKE」「690DUKE R」「990SUPER DUKE R」の3兄弟をテストライド! 動画インプレッションを交えて解説いこう!



200DUKE

ブレーキを強化しABSも標準装備に!

KTM のライトウェイトスポーツ、DUKE125と共通の車体に排気量をアップしたパワフルな水冷4ストDOHC4バルブ単気筒199.5ccを搭載した上位モデルが「200 DUKE」である。車体サイズなどの基本スペックは125 DUKEを踏襲しつつ、エンジンのボアxストロークを125 DUKEの58x47.2mmから72x49mmへ変更。また、吸気径を33mmから38mmに拡大するなど、単なる排気量アップではない最適化チューニングを施している。この結果199.5ccの排気量から26PSを発揮。125DUKEの15PSに比べて実に1.7倍以上のパワーアップを実現する一方で、車重は2㎏増しの126㎏に抑えられたことにより、クラス最強レベルのパワーウエイトレシオを達成している。これを支えるサスペンション、ブレーキなどの足まわりも専用チューニングが施されるなど、KTMらしい妥協のない作り込みがなされているのが特徴だ。
2013モデルでは125同様、ピュアなホワイトカラーを新たに設定。フロントディスクを280㎜から300㎜に大径化してストッピングパワーを向上しつつ、ABSを標準装備するなど安全性も高められた。価格は従来モデルから2万4450円アップの51万3450円ということで、ABS付きとしては値ごろ感のある設定となっている。
690DUKE R

エンジン・車体・足回りのすべてを強化!

2012シーズンに欧州で開催されたDUKE690ワンメイクレース用マシンをイメージして作られた特別仕様が「690 DUKE R」である。水冷4ストOHC4バルブ単気筒、いわゆるLC4エンジンは専用のアクラポビッチ製サイレンサーの採用、マッピングの変更などでスタンダードモデルに比べ2psの出力アップを実現。フレームを強化した新設計のR専用シャシーが採用され、前後サスペンションはフルアジャスタブル化により幅広いセッティングに対応。ハイバネレートとスポーツ寄りのダンピング設定により、より高次元での走りのパフォーマンスを実現している。
ブレーキには最新ブレンボ製『M50』高強度軽量ワンピース・ラジアルマウント・ブレーキキャリパーと専用デザインのマスターシリンダーを採用し、スムーズなレスポンスと強力なストッピングパワーを両立。加えて最新のボッシュ9M+ABSシステムの採用の「SUPERMOTOモード」搭載により、スポーツ走行にもアクティブに対応している。価格はスタンダードモデルから25万円アップの109万2000円となっているが、エンジン・車体・足まわりに及ぶ大幅なグレードアップを考えれば、納得できるプライスと言えよう。
990SUPER DUKE R

125psにパワーアップしタンデム可能に!

KTM ネイキッドのフラッグシップモデルで、DUKEシリーズの長兄的存在が「990 SUPER DUKE R」である。水冷4ストDOHC4バルブ75度VツインのLC8エンジンを軽量な車体に搭載し、スーパースポーツ顔負けの鋭い加速と軽快でシャープなハンドリングを実現したストリートファイターだ。

 
2012モデルよりダブルシートを採用し、タンデムが可能となり、最高出力は従来の120psから125ps/9000rpmへアップ。R モデル専用オレンジ塗装高剛性クロモリフレームがグレード感を高める。価格は2011モデルから28万円ダウンの139万8000円とし、ぐっと身近になったプライス設定も大きな魅力だ。