Bike Item Selection 一覧表

文/ケニー佐川 写真/真弓 悟史

FORCEFIELD BODY ARMOUR

最高レベルの安全性と
抜群のフィット感が魅力

英国から新しいタイプのライディング用プロテクターが登場した。FORCEFIELD BODY ARMOUR(フォースフィールド・ボディアーマー)は、ハードシェルを使わないソフトタイプとしては初のCE認証を受けたプロテクターである。ちなみにCEとは欧州連合(EU)における工業製品の安全基準を定めた規定で、欧州ではバイク用プロテクターにも適用されている。いわばEU諸国から「安全」のお墨付きをもらっているということだ。今回テストした「パックプロテクターPro」はCEの中でも特に厳しいとされる、バックプロテクター規格の最高基準、レベル2をクリアしているのが特徴。つまり、世界トップレベルの衝撃吸収力を持ったバックプロテクターというわけだ。事実、同製品の正規輸入元の日本語サイトには、各国のバイク専門誌などで公式にテストされたデータが掲載されているが、いずれもフォースフィールドがトップを独占している点も見逃せない。

特徴はまず素材にある。ニトレックスという柔軟性に優れる特殊衝撃吸収素材がすべてのフォースフィールド製品に使われているが、密度の異なるニトレックスを多層構造に組み合わせたり、小さな三角形がびっしり格子状に並んだデザインに成型したりすることで、さらに衝撃吸収力が高められている。
「バックプロテクターPro」を実際に装着してみると、ややずっしりとした感じで、今まで個人的に使っていた樹脂製ハードプロテクターに比べると重量感がある。フォースフィールドのほうが作りもしっかりしていて、背中をカバーする範囲も上下左右とも大きいので、当然といえば当然だろう。気になったので実測してみると、約1㎏と予想よりも軽かった。

素材のニトレックスは柔軟性があり、身に付けていると体の形に馴染んでくるため、フィット感はとても良好だ。どうせなら、と別売のチェストプロテクターも同時に装着してみたが、体を包み込まれる感じの一体感が得られた。素材が柔らかいので、ハードプロテクターのような圧迫感が少ないのがいい。プロテクター本体の厚みも2㎝強程度(チェストは15㎜程度)なため、ライディングジャケットはもちろん、レザースーツの下にも普通に着込むことができる。もちろん、フィット感が重要なレザースーツの場合、最初からバックプロテクターを装着することを想定したサイズを選ぶ必要はあるが。

肝心の衝撃吸収性について。さすがに実際にバイクで転ぶわけにはいかないので、「バックプロテクターPro」を装着した状態でコンクリートの柱に背中を打ちつけてみた。当たった瞬間はたしかに衝撃が伝わってくるのだが、痛みを感じたり、息が止まってしまう感じはなかった。ただ、柱の角にぶつけた場合は当たった部分にけっこうな衝撃と鈍い痛みは感じた。これは憶測の域を出ないが、路面に背中から落ちたようなケースであればとても効果的に身を守ってくれるが、鋭利な構造物に対してはハードプロテクターのメリットも捨てがたいかもしれない。でもご安心を。より高いプロテクション効果を求めるなら、表面に硬質樹脂素材を使った最高峰モデル、「パックプロテクターPro sub4」も用意されているので、目的やシチュエーションに合わせて選ぶといいだろう。


FORCEFIELD BODY ARMOUR
(フォースフィールド・ボディアーマー)
「バックプロテクター・Pro」
サイズ S/M/L
素材 衝撃吸収素材「ニトレックス」他
価格 15,750円(税込)
「レースライト・チェスト・プロテクター」
サイズ S/M/L
素材 衝撃吸収素材「ニトレックス」他
価格 7,875円(税込)


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全てのフォースフィールド製品には、柔軟性のある特殊衝撃吸収素材「NITREX」(ニトレックス)が仕様されている。特許技術により規則正しく配置された三角形(トライアングルサーフェス)が、当たる角度や場所を選ばずインパクトを吸収する。


フォースフィールドのプロテクターは柔軟性が高く、体の動きに合わせてフィットするのが特徴。ハードプロテクターにありがちな違和感がなく、長時間のライディングでも快適に装着し続けることができる。素材は“もっちり”とした不思議な感触だ。


最近、レースなどでも着用が義務付けられることが多くなったチェストプロテクター。「レースライト・チェスト・プロテクター」はフィット感抜群で、ストラップの位置決めも自由度が高く、バックプロテクターと連結して使うこともできる。CE規格レベル1をクリア。


写真は裏面。ベントホールを設け通気性を確保するとともに重量軽減にも貢献。密度の異なるニトレックスの多層構造を組み合わせるこことで衝撃吸収性をさらに向上。繰り返しの衝撃でもその高い衝撃吸収力は変わらないという。


REVIEWS アイテムレビュー後の総合評価一覧
デザイン ★★★★★ SF映画に出てきそうな機能美に富んだデザインがカッコいい。プロテクター本体の表面に施されたトライアングルサーフェスもクールな印象を際立たせている。裏面もしっかり作られていて、ベースの生地素材やディテールの処理などもグレード感は高い。
フィット感 ★★★★☆ 柔軟性が非常に高く、体型の違いや様々なライディングフォームにも無理なくフィットする自由度の高さがある。伸縮性のあるショルダーストラップやマジックテープ式のウエストベルトなどで調整幅も広く、フィッティングも簡単だ。
快適性 ★★★★☆ 表面から裏面に抜ける通気用のベントホールも設けられて蒸れにくく、春先だったが快適な装着感。重量はややあるが装着すると軽く、幅広のウエストベルトで腹部もしっかりサポートしてくれるので、重量が分散されて肩への負担も少ない。
安全性 ★★★★★ CE規格の中でも特に厳しいとされる、バックプロテクター規格の最高基準「レベル2」をクリアしている点で、安全性は太鼓判を押していいと思う。他の部位のプロテクターと組み合わせてアップグレードできるシステムも評価したい。
総合評価 ★★★★★ 世界トップレベルの衝撃吸収力を持ったバックプロテクターとして、各国のバイク専門誌で絶賛されている実績は大きい。バイクの進化とともに装具もまた進化すべき。ヘルメットやグローブ、ブーツと同様、今後はボディプロテクターもライディングの必需品として考えたい。
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