Kriega R25 backpack system
スーパースポーツで背負ってほしい
バイク専用パックパックの決定版!
Kriega(クリーガ)というブランドをご存じだろうか。英国生まれのモーターサイクル専用バックパックで、日本には上陸したばかりだが欧州ではかなり売れているらしい。最大のウリは、モーターサイクル専用にデザインされていることだ。さっそくオフィシャルサイトを覗いてみたが、クリーガを背負ったまま、ドゥカティやR1などのスーパースポーツでヒザ擦りやウィリーしている写真が目に飛び込んでくる。これはイケてる!バイク用パックというと、普通はタンクバックやシートパックが思い浮かぶが、それをあえてバックパックで、しかもこの過激さ。英国人気質のユーモアにも思えるほどだが、日本人にはない斬新な発想だ。
今回は本国でも一番人気というミドルサイズの「R25」(容量25リットル)を試してみたが、どのモデルもライディングポジションに合わせてその形状や機能が設計され、他の小型パックやストラップと組み合わせて、容量を増やしたり、シートやフェンダーにも取り付けられるというシステムになっていることが特徴だ。
装着してまず気付くのがフィット感の良さ。チェストハーネスに装備された「クアッドロックシステム」でカチン、カチンと2箇所を留めれば、簡単にしっかりロックされて背中のパックが安定する。外すのもワンタッチだ。ショルダー&ウエストハーネスもワイドで厚いパッドが入っていて、背中と接する本体部分もクッションで守られているため、背負い心地はとても快適。さらにチェストとウェストのハーネスには内側にノンスリップ素材が使われていて、この部分がライダーのウェアと密着して荷重を分散してくれるため、肩に重さがのしかからない。というよりも、不思議なことにむしろ肩のハーネスには隙間があるほどなのだ。それだけ、胸と腰まわりでしっかり荷物の荷重を支えていることになる。これは画期的だ。通常のアウトドア用のディパックなどでは、バイクに長時間乗ると肩が凝って仕方ないものだが、クリーガであればかなり楽できる。実際に小型のノートPCとその他の仕事道具を入れて丸1日、バイクで都内を走り回ってみたが、疲労度はいつも使っているディパックとは比べ物にならなかった。フラップに装備された大型の反射材は安全面はもちろん、素材感がお洒落だし、金属製のフィッティング用バックルも高級感があってカッコいい。また、耐久レーサーのように別売の給水バックを仕込めるハイドレーション対応になっていることも、ライダー心をくすぐるギミックだ。
唯一、中身を仕分けるコンパートメントがもう少し充実していればとも思うが、必要ならば別売の小型パックなどを使ってアップグレードすればいいだろう。見た目に派手さはなくどちらかというと実用的なデザインだが、よく見るとそこかしこにモーターサイクル専用としてのこだわりが感じられる、玄人好みのアイテムだ。
デザイン | ★★★★☆ | シンプルで機能的なデザインだが、それがかえってストイックなスポーツ派ライダーにはウケそうだ。デザインの一部になった大型リフレクターもお洒落。スポーツモデルにも対応した、空気抵抗を減らすためのウェッジシェイプ型の本体デザインも気が効いている。 |
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収納力 | ★★★★☆ | スタンダードモデルの「R25」の場合、ツーリングなら1泊2日程度にちょうどいい容量で、ノートPCなどを持ち歩くビジネスユースにも十分対応できる。荷物が少ないときはサブベルトを絞ってコンパクトにもできる。素材はコーデュラナイロンで耐久性もありそうだ。 |
フィット感 | ★★★★★ | 幅広の剛性感のあるハーネスで、チェスト部とウェスト部にしっかり圧力をかけて固定するのでフィット感は抜群。一般的なディパックのように肩に荷重がのしかかることもなく快適だ。アロイバックル・フィッティングシステムにより、素早くフィット感の微調整も可能。 |
使い勝手 | ★★★★☆ | 別売の5Lや10Lの小型パックを組み合わせることで、目的や用途に合わせて容量を拡大したり、オーガナイザー(収納ケース)を使ってコンパートメントを増やすこともできる。クアッドロック・ハーネスシステムにより脱着が容易にできる点も魅力だ。 |
総合評価 | ★★★★☆ | モーターサイクル専用に割り切るという発想がいい。クリーガの創始者自身がバイク乗りで、自分が欲しいものをカタチにしたというから説得力もある。豊富なバリエーションがあり、それらをシステマチックに組み合わせられるというのも斬新だ。 |