Show Down ザ・対決 VOL.13

取材協力:トライアンフジャパン
/ヤマハ発動機
文:ケニー佐川 写真:山家健一 映像:アートワークス
 

世界の注目を集める
今もっとも熱いジャンル

 

今、世界中で人気が高まっているジャンルがある。 “アドベンチャーツアラー” と呼ばれるモデルだ。パワフルな大排気量エンジンと荒れた路面も気にせずに走破できるタフな足まわりを備え、連続高速走行にも耐えるウインドプロテクションをまとった最強マシンたち。加えて最近では、電子制御テクノロジーの進化によって、ABS、トラコンなどのセーフティデバイスを持つに至り、本当の意味での“マルチパーパス”となった。

その代表格であり、時代をリードしてきた先駆者として圧倒的な存在感を示しているのが「BMW R1200GS」であることに異論を唱える者はいないはずだ。欧米や日本などの先進国における2輪車販売の不振が伝えられる中で、好調なセールスを続けるGSの人気はまさに不動である。これに対し、国内外のメーカーもようやく本腰を入れて、GSと真剣勝負できる実力を持った機種を揃えてきているのが現状である。

具体的には「ドゥカティ・ムルティストラーダ1200」、「ホンダ VFR1200F クロスツアラー」、「カワサキ ベルシス1000」、「KTM 990アドベンチャー」、「スズキ Vストローム650」などがライバルとして名を連ねる。

そして、今回の『ザ・対決』では、強豪ひしめく中でも特にGSを強く意識して作られたと思われる「トライアンフ タイガーエクスプローラー」ともう一台、国産メーカーの中で最もオフロード寄りの立ち位置とされる「ヤマハ XT1200Z スーパーテネレ」を代表選手として選抜。GSや他のライバルたちとの比較も交えて、その素性を探ってみたい。

来春には水冷化された新時代のGSや1190アドベンチャーがデビューを控え、アプリリアも新たにCAPONORD1200を投入するなど、ますます過熱するアドベンチャーツアラー戦線。“冒険王”の座を巡る戦いはこれからが本番である。

 
 
 

「探検者」の名にふさわしい
マルチパーパス長距離ツアラー

 

近年のトライアンフは並列2気筒のモダンクラシックと直列3気筒のアーバンスポーツ、そしてクルーザーという3系統のシリーズラインを主力とするプロダクト構成を展開してきたが、ここにきて、ロードスポーツ系はロードスター、スーパースポーツ、ツーリングへと分化。そして、2011年に投入したタイガー800を皮切りに新たなジャンルとして、アドベンチャーモデルへの挑戦を始めるなど、フルラインナップメーカーへの道を着々と歩んでいるように見える。タイガー800シリーズの高評価を得て、アドベンチャーモデルの新たなフラッグシップとして開発されたのが、「タイガーエクスプローラー」である。

 

 

クラストップレベルとなる137PSのパワーを発生する新開発の3気筒1215ccエンジンを強靭なスチールチューブフレームに搭載。フロントにはアドベンチャーモデルの定番とも言える19インチホイールと190㎜のストロークを持つφ46㎜倒立フォークを装備し、未舗装路での走破性を向上。リヤの片持ちスイングアームには17インチホイールとプリロード&減衰力調整機構付きのリンク式モノショックが装備され、150サイズのワイドラジアルタイヤが強力なパワーを受け止める。駆動系には新たにシャフトドライブシステムを採用することで、事実上メンテナンスフリーのツーリングを可能にしている点にも注目したい。

タイガーエクスプローラーにはフラッグシップに相応しい、最先端の電子デバイスが搭載されているのが特徴である。新開発のエンジンには、ライドバイワイヤ方式の電子スロットルシステムを採用。クルーズコントロール、トラクションコントロール、オンオフ切替式ABSが標準装備され、高速走行からダートセクションに至るあらゆる環境下での安全性とスタビリティの確保に貢献。新開発のメーターパネルには直感的に操作できるオンボードコンピューターを装備するなど、ライディングを積極的にサポートする。

アドベンチャーモデルにとって、快適性の追求もポイントになってくる。人間工学に基づきデザインされたシートは840mmまたは860mmに設定することができ、プロテクション効果を高めた大型のスクリーンとハンドルバーはともに調整可能だ。タンデムライダーを配慮した広く快適なリヤシートには大型グラブバーを装備し、快適性と安全性を向上。大容量20リットルの燃料タンクにより、400㎞無給油でのロングランを実現する。

60リットル容量のツーパニアシステムと35リットル容量のトップボックスや、複数の電気アクセサリーを同時に使用することが可能な大容量950Wジェネレーターや電源ソケットを標準装備。さらに純正アクセサリーとして、シートヒーターやグリップヒーター、高出力フォグランプ、充電用電源内蔵トップボックスを用意するなど、バイク旅を快適かつ豊かに楽しむためのイクイップメントの充実ぶりには目を見張るものがある。

まさに“探検者”の名にふさわしい、マルチパーパス長距離ツアラーと言っていいだろう。

価格:199万9,200円

 
 

■エンジン

タイガーエクスプローラーのために新設計された水冷DOHC並列3気筒 12バルブ1215ccエンジンはクラス最強レベルの137ps/9300rpmを発生。スロットルとFIは電気信号でやり取りする電子制御のライドバイワイヤシステムを採用する。フレームはタイガー800でも採用された強靭でしなやかなスチール鋼管タイプ。

■サスペンション

サスペンションはフロントにφ46㎜の倒立式(トラベル190mm)、リヤにはリザーバータンク別体型油圧式プリロード調整機能、リバウンド減衰調整機能を持つリンク式モノショック(トラベル194mm)を採用する。リヤのプリ調整は手で回せるダイヤル式なので簡単だ。

■フロント

フロントブレーキはφ305mmダブルフローティングディスク+4ピストンキャリパーを装備。前後ブレーキとも解除機能付ABSを備える。フロントホイールは走破性の高い19インチで、10本スポークのキャストタイプを採用。

■リヤ

リヤブレーキはφ282mm 片押し式2ピストンキャリパーに17インチキャストホイールを採用。駆動はシャフトドライブで、片持ちタイプのスイングアームを兼ねた作り。タイヤはメッツラー。マフラーは右1本出しでサイレンサーは8角断面を持つ軽量スリムなアルミ製を採用する。

■フューエルタンク

ボリューム感に圧倒されるタンクまわりだが、実際に跨ってみるとヒザの収まりは比較的スリムだ。容量は余裕のロングライドを可能にする20ℓを確保。この手のジャンルとしてはシート高は低めで、裏側の調整機構で840㎜/860㎜の2段階に設定できる。

■スイッチ

左側スイッチボックスの右上のボタンは、オンボードコンピュータを操作するためのスクロールボタンで、右下のセットボタンを押して確定する。右側スイッチボックスにはクルーズコントロール調整用ボタンを備える。

■メーター

トライアンフ車共通イメージのスポーティなメーターまわり。アナログタコメーター一体式液晶多機能表示メーターにはスピード、トリップコンピューター、ギアポジション、燃料計、時計、点検時期、外気温、凍結警告、ハザードランプを表示。オプションでタイヤ空気圧モニターを表示可能。

 


 

 

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